共通テスト過去問

2020年【物理】本試験 第6問(選択問題)

問1

求める原子核の質量数を $Z$、原子番号(陽子の数)を $Z$ とすると、核反応の前後で質量数と陽子の数は変わらないので
\begin{align}
A + 209 &= 278 + 1 \\
Z + 83 &= 113 + 0
\end{align}
より、$A = 70, Z = 30$ が得られる。

また、α崩壊は、ヘリウムの原子核(陽子2個と中性子2個)を失う過程であるので、Nh から Md に核反応が起こった時、質量数は $278 – 254 = 24$ だけ減り、陽子の数は $113 – 101 = 12$ だけ減っているので、6 回のα崩壊を起こしたことになる。

従って、答えはとなる。

問2

2 つの陽子と 2 つの中性子の質量は
\begin{align}
1.673 \times 10^{-27} \times 2 + 1.675 \times 10^{-27}\times 2 = 3.346 \times 10^{-27}
\end{align}
であるので、質量欠損は
\begin{align}
(3.346 – 3.350) \times 10^{-27} = 0.051 \times 10^{-27}
\end{align}
となる。この質量欠損に相当するエネルギーは $E = m c^2$ より
\begin{align}
0.051 \times 10^{-27} \times (3 \times 10^8)^2 = 4.6 \times 10^{-12}
\end{align}
より、答えはとなる。

問3

α粒子は正の電荷を持ち、β線は負の電荷を持ち、γ線は電磁波であるので電荷を持たないことに注意すると、γ線は電場の影響を受けずまっすぐに進み、α粒子とβ線は逆方向に曲がる。
さらに、β線の方がα線よりも質量が大きいことを考えるとが適切な選択肢となる。