共通テスト過去問

2021年【物理】第1日程 第1問 問5

断熱変化における、ポアソンの公式を知っていれば、何も計算することなく答えを導くことが出来る。

等温変化の場合には、状態方程式 $PV = nRT$ より
$$P V = {\mbox 一定}$$
なる関係が成り立つ。

一方で、断熱過程の場合にはポアソンの公式
$$P V^{\gamma} = {\mbox 一定}$$
ここに $\gamma = C_p/C_v = (C_v + R)/C_v > 1$ である。
従って、(エ)が等温変化であり、(オ)が断熱変化である。

また、最初の状態から、ひっくり返した状態を考えると圧力は小さくなっている。
これは断熱膨張変化であり、温度は下がるはずである。
従って、ひっくり返したときの状態方程式
\begin{align}
(P_0 S – Mg)L_{\mbox 等温} = n R T \\
(P_0 S – Mg)L_{\mbox 断熱} = n R T’
\end{align}
において、 $T > T’$ であるので(ここで、大気圧を $P_0$、ピストンの断面積を $S$、ピストンの重さを $M$ とした)
$$L_{\mbox 等温} > L_{\mbox 断熱}$$
が言える。
従って、答えはとなる。