共通テスト過去問

2023年【物理】本試験 第1問 問4

これは、電磁気のローレンツ力の問題です。
磁場中の荷電粒子が感じるローレンツ力は
$$ \vec{F} = q \vec{v} \times \vec{B}$$
で表されます。
力の向きは、フレミングの左手の法則から決めることが出来ます。
まずは、正電荷の場合を考えましょう。正電荷の場合には、電流と荷電粒子の運動の方向が同じです。
従って、例えば、速度が右向きだとすると、力は上向きに働きます。
つまり時計と反対周りに円を描く運動をすることになります。

次に、負電荷の場合には、正電荷の場合と逆向きの力を感じるので、時計回りに回る運動をすることになります。
もちろん、この場合も、負電荷の場合には、電流は電荷の運動の方向と逆であることに注意して、フレミングの左手の法則からも求めることが出来ます。

さて、円運動の半径は、どのように変わるでしょうか?
今、問題の条件として、正電荷の質量の方が負電荷の質量より重いとあります。

質量 $m$、電荷 $q$、速度 $v$、磁場 $B$, 速度、$v$ とすると、ローレンツ力は $q v B$ であり、これが円運動の遠心力 $m \frac{v^2}{r}$ と釣り合っていることになります。すなわち
$$q v B = m \frac{v^2}{r}$$
これより
$$r = \frac{m v}{q B}$$
が得られます。すなわち、$q, B v$ が等しいときには、質量
$m$ が大きいほど、円の半径は大きくなることがわかります。
従って、答えは となります。