共通テスト過去問

2023年【物理】本試験 第4問

問1

電場の強さ $E$ は電位差 $V$ を距離 $d$ で割れば良いので
$$E = \frac{V}{d}$$
と求まる。これも、電場 $E$ の単位は [V/m] であるので、①から④は答えとしてあり得ない。
また、電気力線の面密度が電場の強さであることに注意すれば
$$E = \frac{4 \pi k_0 Q}{S}$$
より
$$Q = \frac{S}{4 \pi k_0 d} V$$
となり
$$C = \frac{4}{4 \pi k_0 d}$$
が得られ、答えは となる。
ここでも、コンデンサの静電容量は面積 $S$ に比例し、距離 $d$ に反比例することを考えれば、 ⑤、⑥はあり得ない。
このような考察から、計算しなくても、答えは⑦か⑧だと絞れる。

問2

問題文より、直流電源の電圧は 5[V] であることがわかる。
スイッチを入れて十分に時間が経てば、コンデンサに電荷が蓄えられ、そこでの電位差が 5 [V] となる状態で飽和する。
さらに、スイッチを開くと、コンデンサに蓄えられた電荷が移動し電流が流れる。
この時のスイッチを開いた瞬間の抵抗にかかる電圧は 5 [V] であるので、そのときに 100 [mA] の電流が流れていたということは
$$ 5 = R \times 100 \times 10^{-3}$$
より $R = 50$[Ω]と求まる。
従って、答えは となる。

問3

グラフの面積 $1 cm^2$ は 10 [mA] の電流が 10 [s] 流れたことに対応するので、その時に移動した電荷量は
$$10 \times 10^{-3} \times 10 = 0.1$$[C]
となる。従って、答えは となる。

また、斜線部の面積が 45 $cm^2$であったことから、コンデンサの電気容量は
$$45 \times 0.1 = C \times 5$$
より
$$C = 0.9$$ と得られる。
従って、答えは となる。

問4

$1000 \sim 1024 = 2^{10}$ と近似すると、35 [s] を10回繰り返せば良いので
$$35 \times 10 = 350$$
となり、答えは と求まる。

問5

コンデンサの電荷の減少が電流となるので
電流が半分になったということは、ちょうど半分の電荷がコンデンサから失われたことを意味する。
なぜなら、その時、コンデンサ間の電位差も半分になっていることが、抵抗に流れる電流が半分であることからわかるからである。
すなわち、その電荷 $Q_1$ の2倍が元々コンデンサに蓄えられていた電荷である。
また、最初の方法は、コンデンサに蓄えられていた総電荷を小さく見積もっていたので、静電容量 $C$ も小さく見積もられていたはずである。
従って、答えは となる。

コンデンサの問題はよく入試に出されるが、実際を丁寧に扱い、一般論と矛盾のない答えを導き出す必要がある。